国立大学の法人化，この5年間と今後

摘要

日本全国で約100大学存在した国立大学がすべて法人化して5年が過ぎ，今年は第1期の中期目標·中期計画の最終年度にあたる。今年度は法人化第1期の集大成の年であるとともに，平成22年度からの第2期に向けて様々な準備が始まっている年でもある。この5年間で，ある意味国立大学は大きく様変わりしたといえるが，当初喧伝されていたほどの変化はしていないとも言える（法人化の自由度はかなり限定的）。大学の果たすべきミッションの中で最も重要なのは，昔も今も次世代を育て，世に送り出すところにあり，それは少しも変わっていない。しかしその一方では，教育を受ける側の学生も教育する側の教員もここ数年で大きく変化した。