未来技術としての超伝導

摘要

世の中の技術開発には、大きな期待を持たれながらもなかなか実用化しないために世間的にはネガティブな印象を持たれているものがある。高温超伝導技術もその中の一つであろう。超伝導は電気抵抗がゼロであるからこれを使えば電気機器等のエネルギーロスをなくすることができる、とはだれしも考えることである。初期の超伝導材料（線材）はすべて金属でできており、特にNb－Ti合金は線材作製が容易で最も多く使用されている。その代表は医療診断用のMRIであり、冷却技術の進歩と相まって大きな発展を遂げ、医療現場の代表的な診断機器の一つとなっているのはご存じのとおりである。またリニア中央新幹線にもNblliが使われることになっている。