マグネシウム合金用クロムフリー表面処理技術の現状と今後の課題

摘要

マグネシウム合金のメリットは、高強度かつ軽量で、リサイクル性に優れるところにある。 90年代後半からの、特に情報家電分野におけるマグネシウム合金の適用拡大は飛躍的なものがあり、これを牽引したのはノートパソコンと携帯電話の筐体であった。 これらの情報家電製品におけるマグネシウム合金の適用は、2001年4月から本格施行された特定家庭用機器再商品化法（通称、家電リサイクル法）への対応が背景にあり、今や、この分野では不可欠な材料となっている。マグネシウム合金の表面処理は、その要求性能から電磁波シールド用途と塗装下地用途に大別される。 電磁波シールド用途では主に情報家電製品の筐体を対象としており、筐体の電磁波シールド性を阻害しない低電気抵抗の化成皮膜が要求される。また、塗装下地用途では主に自動車や二輪の部材を対象にしており、塗装後耐食性と塗膜密着性が要求される。