樹脂系複合材料軸受の開発およびエネルギー機器への適用

摘要

四ふっ化エチレン樹脂複合材料を開発し、金属との接合技術も確立して水力発電機器各種軸受に適用した。 従来のホワイト·メタルと比較して摩擦係数が1/3、摩耗減量が1/50以下のため、軸受損失低減による発電効率向上、付属設備不要、寿命向上、メンテナンス簡素化等の種々の経済効果が得られた。近年、エネルギー機器の効率向上を目指した大容量化、高速化、小型化の設計が進み、これらのエネルギー機器に使われる各種軸受の摺動条件が厳しくなりつつある。 縦軸水力発電機では回転部の質量と水車から発生するスラスト荷重を支持するスラスト軸受が、横軸水力発電機では回転軸の振れを止めるジャーナル軸受（図1）が装備され、これまですべり面材料として、ホワイト·メタル（例えば、第2種：Sn83～97wt％、Sb8～10wt％、Cu5～7wt％）が使用されてきた。 発電機器の大容量、高速化に伴ない、軸受面圧、すべり速度が増大する。 軸受装置の小型化により回転部の抵抗が軽減する反面、軸受面庄が増大する。 電力需要に応じた素早い始動·停止や、種々の負荷変動に適応するため、軸受には過酷な運転条件に耐え電力安定供給できる高信頼性が要求される。