プログラミングにおける協調学習の影響－小学生を対象とした事例分析

摘要

子供同士が話し合いながらプログラムの不具合を修正し，完成度を高めていく光景がしばしば見られる．そこで本研究では，小学生同士でのプログラミング過程に焦点をあて，どのような話し合いによってプログラムが子供たちの構想に合致するよう作り上げられていくかを検討した．その過程を分析するための手がかりとして，プログラムの完成度を高めていく際に経由した一連の過程を「機能機構階層図」として表現した．機能機構階層図を用いてプログラミングの過程を分析した結果，子供達はそれぞれ異なる視点から意見を出し合うことで，プログラムを自分たちの構想へ近づけていくための修正点を見出し，さまざまな形で修正事項を組み合わせながらプログラムの完成度を高めていたことが示された．