“矢印コード”を利用した携帯電話向けURL入力方式

摘要

本論文では、矢印コードを利用した携帯電話向けのURL入力方式を提案した。 評価実験により、利点の一つとして、既存の入力方式よりも入力しやすいとユーザが感じることを示した。 本評価実験では、入力情報のみをディスプレイに表示して既存の入力方式と比較したが、実際には、より多くの情報が広告に記載されていたり、広告自体がいくつも並べて掲示されていたりするため、ユーザの目に入る情報量はより多くなる。従って、広告から目を離す度にもう一度入力箇所を探す負荷はより大きくなり、常に広告に目を向けたまま入力できる提案方式の効果は、実際には、本実験の結果以上に大きいものと思われる。 いずれにしても、数千万単位の膨大な携帯電話利用者数を考えると、広告主にとっては大きな効果が期待できる。また、二つ目の利点として、携帯電話端末を隠しての入力を誰にでも可能にすることを示した。 ただし、本評価実験では一条件で評価したに過ぎず、実際には、使用する端末の形状や大きさによって、隠せる箇所（かばh、衣類のポケット等）は限定されるであろう。 従って、本利点をより一般化するために、携帯電話端末の形状も含めて検討することが今後の課題である。