電気技術の発展史－第22回 第12章 1900年代前半までの発展④

摘要

静止器である変圧器の製造は比較的容易であったから，欧米に埋れること約10年で電灯用の変圧器の国産化が始まっている．明治30年項の電灯用変圧器は，一次電圧が1000Vまたは2000V程度で二次電圧が100Vのものである．容量的には10kV·A以下で，絶縁油を使用しない自然空冷式であった．これは，イギリス製品の模倣であった．その後，アメリカ製品の設計を取り入れ，油入変圧器の製造が始まった．明治36年には，11kV，150kV·Aの特別高圧油入変圧器が製作され，これ以降は，高電圧，大容量化が急速に進hだ．これは，明治末期に始まる水力発電所の建設増加によるものである．当時の記録品は次のようである．