マイクロデバイスのダウンサイジング化を支える薄膜材料物性評価技術－ナノ·マイクロ機械物性の定量計測を目指して

摘要

これまで行われてきたナノ·マイクロ材料の代表的な機械特性評価試験法には，引張試験，曲げ試験，硬さ試験，バルジ試験等がある．引張試験はバルク材評価の一般的な手法であり，対象材料の応力－ひずみ関係を直接計測できる利点を有している．しかし，試験片寸法が微小になると，従来のマクロな機械材料試験で培われた知識や経験がそのまま通用しない．これは，曲げ試験やねじり試験にも共通する．「微小材料」を対象とするがゆえに生じる特有の技術的問題点を如何にして解決するかが，この分野における現在の研究テーマの一部となっている．本稿では，著者らが開発した薄膜材料を対象とした力学試験技術の中から代表的なものを，実験結果の一例とともに紹介する．