超音波領域における外耳道内の音圧特性～実測とシミュレーションによる検討

摘要

超音波暴露の基礎検討として、擬似外耳道を取りつけたマネキンに周波数20kHzの空中超音波を照射し，暴露させた場合の外耳道内外の音圧計測により，鼓膜付近の音圧を推定する方法を検討している．これまでに，外耳道内に形成される定在波音場のピーク値から，鼓膜付近の音圧を推定できる可能性があることを示してきた．しかし，より高い周波数の音波の場合には波長が短くなり，外耳道内外にはより複雑な音場が形成される．そのため，鼓膜付近の音圧の推定が困難となることが予想される．本報告では，周波数20kHZ以上の超音波で暴露させた場合の外耳道内の音圧特性について，実測と音響シミュレーションにより検討を行っている．