ERブレーキを用いた筋力評価·訓練システム開発のための基礎研究－ERブレーキの開発およびそのパッシブ速度制御

摘要

運動には，体を鍛え健康を保つために体を動かすという意味があり，スポーツ選手の筋力強化や一般の人々の健康増進，さらに障害のある人の機能回復訓練など，様々な場面で行われている．訓練に用いられる運動は，筋収縮の形態によって等尺運動，等張運動，等速運動に分類することができる［1］～［3］．等尺運動とは，関節を動かさずに筋を収縮させる運動である．等張運動とは，一定の負荷を用いて行う連動である．動的な訓練が可能であるが，関節の機構的な特性から負荷の設定は訓練可動域の中で最もカの弱い部分に合わせなければならず，また訓練中の運動速度も考慮することが難しい．これに対し，等速運動は訓練部位の速度が一定となるよう拘束しながら訓練を行う．訓練者の発生力がそのまま負荷となるため，全可動範囲において最大負荷での訓練が可能となるほか，筋の収縮速度と発生力の関係［4］を考慮した訓練が可能となり，定義評価も可能となる．しかし，人間は大きな力を発生しながら運動速度を一定に保つことはできないため，等速運動を行うためには何らかの機器が必要となる．そこで，これらの分野にロボット技術が導入されている．