地熱発電の特徴と適用技術及び最近の開発動向

摘要

地球温暖化対策や原子力発電を取り巻く情勢の変化を背景として世界的に主電源として火力発電から再生可能エネルギーへの移行が今後予想されている。太陽光や風力といった再生可能エネルギーについては環境負荷が低いというメリットはあるものの，季節や天候などに左右されることから供給の不安定さという問題がある。一方で，地熱エネルギーは，季節·昼夜を問わず安定的に供給されるという利点があり，又，地中からの蒸気と熱水の供給源である生産井は，適切に維持·管理し継続的·計画的に開発すれば長期にわたって有効利用が可能である。本稿では，主に中·大型の地熱タービンプラントを対象に当社がこれまで蓄積してきた知見·技術だけでなく2015年に納入したメキシコのロスアズフレス発電所（図1,2参照）や2019年に納入予定であるケニアのオルカリア発電所向けの蒸気タービンへ適用した最新の技術も踏まえ，今後の開発動向についても紹介する。