次期固定翼哨戒機（XP-1）用エンジンの開発について

摘要

海上自衛隊の固定翼哨戒機P-1に4発搭載されたF7-10 エンジンは，これまで防衛省技術研究本部航空装備研究所で研究開発を実施してきた航空機用ジェットエンジン技術を用いて研究開発した推力約6トン，バイパス比8クラスの純国産高バイパス比ターボファンエンジンである。防衛省において，高バイパス比ターボファンエンジンの国産開発は初めての経験であり，国内の製造会社もFJR710の開発経験及び民間エンジンの一部の要素開発に限定されているため，研究開発を通してエンジン全体システムを取り纏める技術及びエンジン／機体における試験評価を行う技術においてさまざまな知見が得られた。本論では，次期固定翼哨戒機（XP-1）用エンジンとして開発された次期固定翼哨戒機用エンジン（XF7-10）（図1）の機能·性能，研究概要及び開発段階で実施したエンジン試験の概要について紹介する。