果実生産技術の改善：薬剤散布時のドリフトを防ぐ－まず，噴霧圧や風量の調節で対応

摘要

農薬散布作業時に発生するドリフト（漂流飛散）については，昨年（平成15年）3月の改正農薬取締法の施行以降，農薬使用基準の遵守とともに，農産物の安全性に対する信頼性確保等の観点から，その防止対策の確立が急務である。特にスピードスプレーヤ（以下，SS）は，農薬散布に送風を利用する磯構であることからドリフト発生の懸念が大きく，これが使用されているリソゴ等の果樹園では，ドリフト抑制·防止対策が強く求められている。 そこで本稿では現状における農薬散布時のドリフトの問題点を整理するとともに，これを抑制及び防止していくための対策，あるいは，新たな散布機開発への取り組み等について述べることとしたい。