トマ卜小葉基部の中肋組織からの不定芽の節位別の発生頻度と 中肋における同化産物の蓄積との関係

摘要

トマト小葉基部の葉柄組織から発生する不定芽の発生歩 度ならびに発生場所に関する基礎的知見を得ることを目&として，トマト、Sohnum lycopercicum L.)品種，ヒ太良P を園試処方50%濃度液で水耕栽培し，慣行栽培と同様グ 方法ですベての腋芽を伸長開始直後に摘除するとともにさ 花房も第1花開花時に摘除した.栽培期間中に各葉の小3 基部の中肋組織における不定芽の発生率を測定するととも に奇数位葉における中肋組織中の全糖およびデンプン含i および偶数位葉における中肋組織の汁液のBrixを測定L た.ほとhどの不定芽は二回複葉を示す小葉の基部の中JK 組織から発生した.第10葉までは節位が高いほど不定3 の発生率が高くなり，それ以上の節位では不定芽の発生, に有意差は認められなかった.また，二回複葉を示す小1 であっても最も茎に近い小葉基部では不定芽の発生率は但 かった.奇数位葉の中肋組織におけるデンプン含量は不淀 芽の発生率と同様の傾向を示し，第9節葉以上で高くなる 傾向が認められた.複葉小葉基部の中肋組織からの不定5 の発生率と中肋内のデンプン含量には，デンプン含量ガ 0.6mg . gFW-'以下ではデンプン含量と不定芽発生率との 間に有意な正の相関が認められた.以上のことから，デン プン含量が0.6 mg 、 gFW"1以下では葉柄組織中のデンプン 蓄積に伴い，特に二回複葉を示す大型の小葉基部の中肋II 織からの不定芽の発生率が上昇することが明らかとなつ た.また二回複葉を示す小葉であつても茎からの距離によ り不定芽の発生率に差があることが明らかとなつた.