科学研究で生きる道11教授は何をする人か

摘要

教授といってもいろいろいる.ろくに研究業績もないのに学会の大御所として偉そうな顔をしている人もいるが，ここでは優れた教授の典型例を紹介しよう.本来の大学は物事を根源にまでさかのぼって探求する場であり，職業訓練所ではない.いくつもの大学の学長がそう言明している.しかし現実は就職予備校に成り下がっている大学もある.学生も就職への優位度を第一の大学選択基準に考えている.まったく不幸にして親もしかりだ.そhな大学はそhな親の期待に応えるべく卒業生の大企業への就職率の高さを競うようになった.本来，産業界とは距離を置いているはずにもかかわらず，学問そっちのけでキャリアアップ講座だの，面接予行練習だの，エントリーシートの書き方だのと，就活技術の習得に精を出すようになった.在学4年間の半分近くも費やしてだ.もっとも，学生の大半がそhなことさえも大学に直接教えてもらわなければできない，情けなくも理解困難な状態なのだ.そhな学生から本当の能力を探り出さなければならない企業側もさぞかし苦労の多いことだろうと心から同情する.