3次元MRI解析手法を用いた幼児期発育性股関節形成不全患者の骨，軟骨性寛骨臼評価

摘要

【目的】幼児期DDH患者の寛骨臼形態を3次元MRI解析した.【方法】6名の片側DDH患者の両側股関節単純MRIから3次元骨，軟骨モデルを作成し，患側および健側の寛骨臼形態評価を行った.【結果】MRI撮影時平均年齢は3.7歳であった.3次元解析における外側傾斜角は，健側骨性平均21.8°,軟骨性平均15.3°,患側の骨性平均29.1°,軟骨性平均19.4°であった.前方傾斜角は，健側骨性平均37.9°,軟骨性平均51.8°に対し患側の骨性平均37.9°,軟骨性平均52.0°であった.前方傾斜角は骨性，軟骨性共に患健側差は少なぐ軟骨性は6例中3例で患側の被覆が大きかった.【結論】幼児期DDH患者の寛骨臼の外側傾斜は，骨性，軟骨性共に低下していたが，前方傾斜は症例により健側より増大例，低下例が混在していた.