歩行可能な脳性麻痺児の股関節亜脱臼に対して大腿骨骨切り術を行つた4例

摘要

要旨歩行可能な脳性麻痺児の股関節亜脱臼に対してOrthopaedic Selective Spasticity-Con-trol Surgery(OSSCS) +大腿骨減捻内反骨切り術(DVO)を施行した4例を報告した.症例1は Gross Motor Function Classification System(GMFCS)レベルIで，1歳4か月時に独歩を開始した. 7歳8か月時に左股関節亜脱臼Migration Percentage (MP) 58%に対し，OSSCS + DVOを施行し た.症例2はGMFCSレベルIIで，1歳11か月時に独歩を開始した.11歳4か月時に右股亜脱臼 MP 45%に対し，OSSCS + DVOを施行した.症例3はGMFCSレベルIIIで，3歳時に歩行器歩行 を開始した.4歳10か月時に股亜脱臼MP 61%に対し，OSSCS+ DVOを施行した.症例4は GMFCSレベルIIIで4歳8か月時に家庭内は歩行可能になった.12歳10か月時に両股両膝拘縮と 右股亜脱臼MP 50%に対し，両股両膝OSSCSを施行した.右股亜脱臼が改善せず，14歳11か月 時にDVOを追加した.4例とも亜脱臼は許容内に矯正された.歩行能力の回復に術後3か月から1 年3か月を要し，手術時年齢が高いほど回復が遅かつた.