スポーツ現場におけるスポーツ医科学サボ一卜活動

摘要

近年，スポーツ選手の競技力向上，あるいは傷害予防をスポーッ医科学的に支援することの必要性が叫ばれている.選手のコンディションを最良な状態に保っためには，選手自身やコーチが最大の努力をすることはいうまでもない.しかし，近年の競技レベルの高度化，競技環境（施設·用具など）の変化，スポーツ医科学の発展が進む中，選手自身やコーチがトータルなコンディショニングの管理を片手間に行なえる範疇ではなくなつてきている.このような背景の中で，選手の競技能力（体力·技術-才能·素質など）をよりいっそう高めるためのポジティブな面のコンディショニングに併せて，選手の外傷·障害'疾病·疲労などのような，競技成績に対するネガティブな影響をできる限り少なくするためのコンディショニングを，スポーツ医科学分野の専門家（ァスレティックトレーナー，ドクター，科学者，栄養士， メンタルコーチ，理学療法士等）が関与，協力連携して実施していく必要性が高まってきたといえる.特にァスレティックトレーナ一は， 選手のコンディシヨンを最良の状態にするための環境をつくる，スポーツ現場のコーディネーターとして，スポーツ医科学の研究成果を活かすべく，様々なスポーッ医科学の領域に精通していることが望まれ，スポーツ医科学全般からの働きかけを，多角的に他の専門家と連携しながら行なうことが重要となる.