核移植とiPS細胞技術：リプログラミングの効率化を目指して

摘要

体細胞からクローン動物を生み出す核移植技術およびiPS細胞を作るiPS細胞技術は，ともに分化した体細胞核をそれぞれ全能性および多能性細胞へとリプログラミング(初期化）する技術であり.これまで実験動物を用いた基礎研究から畜産や再生医療への応用研究まで分野を超えて急速に普及してきた．これら2つの技術はまったく異なる手法を用いたリプログラミング技術であり.それぞれ得手不得手がある一方，リプログラミング効率が低いという共通の問題を抱えている．今後，これら2つのリプログラミング技術は効率化に向けて進歩しながら，また相互に影響しながら，次世代のリプログラミング技術へと発展していくことが期待される．