ガスの溶解度と拡散係数(3)

摘要

1.9化学反応を伴う場合のガスの溶解度CO_2-NaOH水溶液系や,NH_3-H_2SO_4水溶液系のょうに,液相中に溶解した溶質ガスと液中の反応溶質との間に,事実上不可逆反応とみなされる反応が起こる場合には,溶質ガスの平衡ガス分圧をゼロと考えて差し支えない.しかし,CO_2-Na_2CO_3水溶液系や,H_2S-NH_3水溶液系のょうに,溶解ガスと液中反応溶質との反応が可逆反応の場合には,気相中の溶質ガスは液の組成や温度などで定まる一定の平衡分圧を示す.気相中の溶質ガス分圧が高い場合に不可逆反応とみなすことができる反応系でも,溶質ガス分圧が低い場合には可逆反応として取扱わなければならないことも多い.反応を伴う気液系の平衡関係にっいては古くから研究が行われており,平衡ガス分圧の実測値や実験式も多数報告されている.エ業的に重要な気液系に対する平衡データのグラフ,表,実験式などは,Rammの著書, Perryのハンドブック,Koh 1 -Riesenfeldの著書などに収録されている.また,Astaritaらの最近の著書中では,化学反応を伴う気液系の平衡関係に関する理論的取扱いが詳細に論じられている.