量子情報理論の量子重力への応用

摘要

アルベルト?アインシュタインの重力理論であ る一般相対性理論は，量子力学とともに，20世紀 の前半に発見され，現代物理学の2本の柱となっ ている. しかし，発見から90年以上たった現在 も，この2本の柱を数学的に矛盾なく統一する理 論は完成していない.超弦理論はそのような統一 理論の最も有望な候補と考えられている.「候補」 と書いたのは，超弦理論の数学的な定式化が完成 していないからであり，また，この理論に特有な 現象が実験や観測によって検証されていないから である.しかし，超弦理論は量子力学の原理に基 づいており，低エネルギー近似で一般相対性理論 を含hでおり，さらには素粒子の標準模型を構成 するすべての理論的要素がそろっているので，こ の理論が完成したあかつきには一般相対性理論と 量子力学の統合が達成されると期待されている.