東京帝国大学図書館組織内における附図書館の位置づけ一そのモデルの検討を中心に一

摘要

大学組織及び図書館組繊の中における東京帝国大学附屬図書館の役割について．そのモデルゃ関際の運営から検肘した．当時の図書館組織のモデルとなるのはニつあった。一つはドイッの大学に代表される学問型であり． このvィプの図’館にいては，中央と郎局は切り離れており，価債のある図書だけを購入Lていた。もうひとつは，アメリカの伝統ある大学に代表される教育型であり．このタィプの図書館は．部局と中央が組織的な関係を持つことを意徴し． また教育的な資料も収集していた。東京帝国大学は．研究型の図書館を望ゅ．附属図書館の基磯を築いた三人の館長は教育型を重視していた。関際の附属図書館の運営を見てみると．部局図書館と附属図書館は別々に運営され．図書館員は大学図書館についての知議は＋分に身につけていなかったが学問に関Lての知議は持っていた。そして.少なくとも関東大震災ごろには図書館員を中心に選書は行われてし、たが． 教員による選書や授業に関連した選．は十分に行われなかった。ここから，少な（とも1920年代後半には附属図書館の運営は研究型により近いと結論された。