パワースペクトルを介した時間領域における地殻変動データの検出能力評価-長基線レーザー伸縮計の調査-

摘要

長基線レーザー伸縮計の時系列データから．パワースペクトルを介して時間領域におけるTータのゆらぎを算出し，その地殻変動現象の検出能力を評価した．解析対象としたレーザー伸縮計は静岡県浜松市に新たに設置されたa線長200mのものである． 得られた結果を以前に得られていた東海地域に設置されている多成分歪計並びにGPS観測網の評価結果や，他地域にある同種の装置の観測結果と比較した． その結果，ノイズのパワースペクトルのレべルは多成分歪計に比べて約10~(0.5)低く，その周波数依存性は長周期において多成分歪計に比較的近い特性を示している．世界各地の同種の長基線レーザー伸縮計と比較すると、ノイズレべル及びその周波数依存性はそれらと非常に近い特性となっている．東海長期的スロースリップの検知を想定した場合に,レーザー伸縮計が既存のGPS観測網よりも早期の現象検知の可能性があると推定された．