アルミニウム鋳物·ダイカスト合金研究開発の戦後の流れ（1）-鋳造方法と合金の移り変わり

摘要

1964年の東京オリンピックにより日本全体が活気を帯び，全体が大きく動き出した．アルミニウム関係産業も同様であり，活気を帯びて活き活きとしていた．これと同時に公害問題も大きな課題としてクローズアップされ，その解決は社会的に大きな課題として突きつけられていた時代でもあった．その後の東名高速道路の開通等，道路網の整備とともに自動車の生産が急速に加速しはじめ，アルミニウム鋳物·ダイカストの活用も急速に進hだ．これとともにアルミニウム産業における鋳物·ダイカスト関係生産量も増加し，安定した成長を示すようになってきた．1973年の第一次オイルショックにより，アルミニウム産業は国内での電解製錬からのはば完全撤退という試練にさらされたが，地金の開発輸入を含めて海外調達に転換することでなhとか切り抜けている．この時期以降，アルミニウム鋳物·ダイカストは電解製錬による一次地金での生産はホイール以外ではきわめてわずかとなり，大半は市中スクラップをリサイクルした二次合金地金の使用に切り替わっている．したがって，このような原料ソースの変化にともない，鋳物·ダイカストの鋳造技術上の様々な転換と展開が必要であったといえる．