鉄の技術史(4)：八幡製鐵所ベッセマー転炉鋼製レールの製造法と材質

摘要

九州工業大学は平成14～16年度に文部科学省の「地域貢献特別支援事業」の一環として「（仮称）北九州産業技術博物館に展示する学術的資料の調査収集」を実施し，鉄鋼材料技術革新の履歴の展示用資料を得るため1901年の創業以来，八幡製鐵所で今日まで約100年間に生産されたレールを材料科学的に調査した．この中で10tベッセマー法転炉（以下酸性転炉とする）鋼製レールを今日的な視点で調査することができた．この結果を同時に調査した塩基性平炉（以下平炉とする）鋼製レールや海外製レールの結果と比較し，文献例も加えてこれまでほとhど明らかにされていなかった酸性転炉鋼の材質的な特徴を検討した．