食品製造技術の現状と課題

摘要

食品製造技術を考える時，その技術が市場のニーズに応えうる技術かどうか考える必要がある。また世界の食糧事情を考える時，人口増加と経済発展は切り離して考えられない。世界の人口は先進国の10 億人に対し20世紀末から中国の13.5億人とインドの12.2億人，ASEAN諸国の7億人の人々が急速な経済発展で先進国のような物質文明を目指している。これらの途上国の人々が先進国に近い物質的豊かさに達したら地球の資源は人口増加の早さを越えて消費され環境面においても破壊速度が速まると心配される。現に最近の中国の経済力は目を見張るものがあるが大気汚染や地下水の汚染など環境破壊も見られ，その懸念の一端となっている。現状の日本の食品業界を見ると国内では人口の減少とともに一般食品の市場の拡大は見込めない。そのため，より市場のニーズに対応した健康食品が注目され食品業界だけでなく医薬品業界や，これまで食品を手がけたことのない業界まで参入し競争が激化しいる。