腰部交感神経節近傍への直線偏向近赤外線照射の試み

摘要

【目的】われわれは、腰部交感神経節に対し非侵襲で安全な直線偏向近赤外線治療器（以下、SL照射、東京医研製）を用いて下肢末梢部における微小循環組織血流量と皮膚温度の変化について検討した。 【方法】対象は、健常者11名（男性6名·女性5名、平均年齢58．5±5．9歳）である。 無作為に5名の非照射群（対照群）と6名の照射群（試験群）の2群に分け、SL照射は腹部中央下部（腰部交感神経節L－2嶺域近傍）に生体深遠性の高い波長帯の光0．6～1．6um、最高出力1800mWをスポット状で水分穴相当部位に照射、坦力100％を1秒間照射4秒休止のサイクルで20分間施行した。 測定部位は、右側下肢の足背動脈上に位置する太衝穴部位とした。 測定方法は、室温24度±0．5度の環境で15分間の安静の後、血流計（ALF2100、アドバンス製）と深部体温計モニターコアテンプ（廃部型、PD－11、テルモ製）を用いて照射前·照射直後·照射終了後30分後の血流量（ml/min/100g）と皮膚温度（°C）の変化を観察した。