良食味米と低食味米の構造的特徴－電子顕微鏡観察でわかること

摘要

毎日食べている米。米粒（べいりゅう·こめつぶ）は植物「イネ」の果実であるとともに種子であり，田hぼで収穫した穂から籾をとって（脱穀），籾殻を外して（籾摺り）中の粧（玄米）を取り出し，さらに粒の外側部分の糠（ぬか）を削り取って「精（白）米」とし，これに水を加えて電気炊飯器で炊いて食べている。「飯（めし）」というと乱暴な言葉に聞こえるかも知れないが，米に加熱·加水してできた「ごはh」の正しい名称である。わが国では長い間，飯は主食であり，食生活ばかりではなく文化や生活において恩恵をうけてきた。わが国で栽培されるイネは，栽培方法の違いから大きく2種類ある。田hぼで水を張って栽培する「水稲」と，畑で水を張らず栽培する「陸稲（りくとう·おかぼ）」である。作付面積（子実用）は，前者が全国で147.9万ha で栽培され，後者が944haでほとhどが茨城県や栃木県でのもち米栽培に限られる（農林水産省2017）。