真空蒸留·塑性加工法による高純度マグネシウム板材の作製

摘要

マグネシウムは実用金属の中で最も軽量でリサイクル性が良い。その需要は増加しており，今後も用途の拡大が期待されている。近年，生体への影響が少なく，生体吸収性もあることから，医療分野においても注目されている。現在金属材科としては，主としてステンレス鋼，チタン等の材料が使用されているが、生体吸収性がないため，治癒後，摘出しないといけない。マグネシウムを用いると治癒後，摘出する必要がなくなる。しかしながら，市販の純マグネシウムおよびマグネシウム合金では，治癒前に腐食が始まり，強度が低下してしまう。そのため，耐食性に優れた高純度のマグネシウムが求められているが，マグネシウムは蒸気圧が高い元素であるため，各元素間の蒸気圧差を利用した真空蒸留法により，耐食性に優れた高純度マグネシウムを得ることが可能である。