IgG4関連硬化性疾患 (自己免疫性膵炎，IgG4関連硬化性胆管炎）

摘要

1961年Sarlesらは，高γグロブリン血症と病変部 位へのリンパ形質細胞浸潤を伴い，自己免疫機序が想 定される膵炎症例を “chronic inflammatory sclerosis of the pancreas”として報告した。また1978年に Nakanoらが，ステロイドが有効であった脖炎を報告 している。1991年にKawaguchiらは，2例の硬化 性胆管炎に合併し，特徴的な病理像を伴った脖炎を “lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis (LPSP) ” として報告した。その後1992年にTokiらが，4例 の特異的な膵管像を呈するびまh性膵管狭細型慢性膵 炎を報告し，1995年にYoshidaらは自己免疫性膵炎 (autoimmune pancreatitis : AIP)の疾患概念を提唱し た2001年にHamanoらが，AIPにおいて高率か つ特異的に血清IgG4が上昇することを報告して以降， 急速にA1Pの疾患概念は確立された。