胆管金属ステント留置中の胆道出血への対応

摘要

切除不能悪性胆道閉塞に対する胆管金属ステント留置は広く行われている手技であり，その安全性?有効性は確立されている。胆管金属ステント留置後の偶発症としては，膵炎?胆囊炎?胆管炎?逸脱などがよく知られているが，胆道出血も頻度は少ないものの重篤になりうる偶発症の一つで，緊急対応を要することもある。近年では高齢化に伴い抗血栓薬内服中の症例も顕著に増加しており，胆道出血は今後も頻度が増えることが予想される。胆道出血に対する治療としては，内視鏡的治療のみならず，IVRによる動脈塞栓が必要なこともあり，その重症度の評価と適切な治療選択が重要である。本稿では胆管金属ステント留置後胆道出血について，その頻度，危険因子，治療法について解説する。