旦囊総胆管結石手術不能例に対する長期胆管ステント留置術 一超高齢者の総胆管結石症治療における長期胆管ステン留置術の有用性

摘要

総胆管結石症に対し内視鏡的治療を行った85歳以上の超高齢者280例について検討し た。完全に結石除去ができた群（完全除去群）106例と結石が残存し胆管ステン卜留置で経過 観察とした群（胆管ステント留置群）174例を比較すると，胆管炎併発例と多発結石例が胆管 ステン卜留置群に多い傾向を認めたが，偶発症，軽快率，再発率に差を認めなかった。また， 1入院中の治療回数は胆管ステン卜留置群で有意に少なかった。超高齢者においても総胆管結 石に対する内視鏡的治療は有効かつ比較的安全であり，全身状態が許せば十分なインフォーム ド-コンセントと厳重な術中?術後管理の下で，積極的に施行すべきであると考えられた。ま た，結石が残存しても，胆管ステント留置により完全除去と遜色ない長期経過が期待できるた め，速やかに処置を終えることを念頭に置いた柔軟な対応が望まれる。