化学療法中に生じた非外傷性脾臓破裂を緊急摘脾で救命し得た芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍

摘要

非外傷性脾臓破裂は，外傷などの誘因がなく発症する 脾臓破裂である。稀ではあるが，致死率は高く重大な病 態である。血液疾患では，非ホジキンリンパ腫や急性骨髄性白血病に合併することが多く，約20%の症例は化 学療法直後に発症する。今回我々は，芽球性形質細胞様 樹状細胞腫瘍（blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm; BPDCN)の化学療法中に非外傷性脾臓破裂を来 した症例を経験し，緊急脾臓摘出により救命し得た。非 外傷性脾臓破裂は，化学療法中の急性腹症の鑑別として重要と考え報告する。