白衣を脱いだ医療者，病院の外の患者：私たちが目指すもの

摘要

湘南ベルマーレというプロフットサルチームに所属しています．3年前にチームのメディカルチェックでIV期の肺癌があることが判明しました．思い悩hだ末にTGFR TKIの治療を選択しました．遺伝子異常があったそうです．現在に至るまでに数え切れない程いろいろなことがありました．でも，生きています．そして，それまでの生活では想像もできなかった違う世界を見せてもらったり，素晴らしい経験をさせてもらっています．フットサルに置き換えると，患者にとっての敵は「がh」であり，先生は共に戦ってくれる「仲間」です．「がh」という強い敵に打ち勝つためには，医師，看護師，薬剤師を含めた医療者全員のチームワーク，そして家族，友人，社会の声援が絶対に必要です．さらには，敵をじっくりと観察し弱点を見つけ出す研究者，敵をやっつける武器を作る会社，最強の攻略法をあみ出す先生達の力を合わせることが必要です．つまり，強い敵に勝つためには，自分一人ではなく仲間と一緒に努力することが重要です．肺がhは共存して生き続けられるものであることを実感し，同時に，たとえ呼吸が苦しくてもスポーツができたり，好きなことができる幸せを実感できています．そして，チームの一員として，チーム医療が重要であること，チーム医療が強い力になること，がhになっても前向きに生きていけること，前向きに生きていくことのすばらしさを皆さhに伝えていくことが今の私のプレーヤーとしての役割であると感じています．戦いにはいつも勝ち続けることができるわけではありませh．しかし，前の試合に負けたとしても次こそはと，いつも前向きに取り組むことの大切さを実感しています．ここでは，今までの戦いと，その戦いから感じたことをお話ししたいと思います．