パフォーマンス評価を志向した修正版グラウンディッド セオリーアプローチによる卒業研究の概念抽出とRubric作成

摘要

緒言:医療系学部のみならず大学教育全体が，「教員が何を教えたか」から「学生が何を学hだか」へと焦点がシフトしている.それに伴い，学習成果への評価の関心が高まっている.中央教育審議会の答申においても，学士課程教育の質的転換が求められている.その中では，学習者の主体的能動的学習を促すことはもちろhであるが，アセスメント?ポリシーに則った学修の成果の評価の実施と明確化が謳われている.6年制薬学教育においても，2015年度より適用される改訂薬学教育モデル?コアカリキュラム（改訂コアカリ）では学習成果基盤型教育 (outcome-based education; OBE)に力点を置いた編成となっている.さらには，薬学教育評価におい ても，問題解決能力などに対する適切な評価が求められている.薬学教育では，6年制の導入とともに様々な改革が実施され，基礎的な知識?技術はもとより，豊かな人間性，高い倫理観，医療人としての教養，課題発見能力?問題解決能力，現場で通用する実践力などを身につける学習方略が実践されてきた.本学においても，初年次からの問題解決型学習や基礎科目へのチーム基盤型学習（team-based learning; TBL)の導入，学年を通して行うキャリア教育，高学年での実践的問題解決型学習(problem-based learning; PBL)の実践やフイジカルアセスメントの導入などに取り組hできた.薬学教育評価の本格的な実施が始まり，改訂コアカリの導入を控えた今，薬学教育は，卒業生の質保証の観点からも，方略の改革から評価の改革へと進める段階にきていると言える.