医療に係る安全管理のための職員研修に関する事例報告：研修義務化直後の6病院での取り組みを通して

摘要

病院をはじめとする医療機関で現職の医療従事 者を対象にした教育には，現場からも研究者から も高い関心が寄せられてきた。その理由の一つは 教育が医療安全に繋がること力s期待されるためで ある。そうした医療安全に係る教育に関する大きな出来事に2007年の医療法の一部改正により すべての医療機関に，医療に係る安全管理のため の職員研修（年2回程度，以下，安全研修），院内感染対策のための研修（年2回程度），医薬品 の安全使用のための研修（必要に応じて），医療 機器の安全使用のための研修（医療機器導入時な ど）が課されるようになつたことが挙げられる。 これらは職種横断的な医療安全活動の推進や部門 を超えた連携への考慮が視野に入れられていた という点でも特徴的であった。しかし，これらの 研修の方法論などについては具体的な基準はな い。