腹腔内出血を契機として診断に至った結節性硬化症に合併した子宮Perivascularepithelioid cell tumor (PEGoma)の1例

摘要

TSCは多臓器に病変を呈する疾患であり，腎以外 からの出血を来たす危険性にも注意を要する.われわ れは子宮からの腹腔内出血を契機として診断に至った 結節性硬化症の1例を経験したので，若干の文献的考 察を加えて報告する.患者：54歳，女性。主訴：腹痛。家族歴：父大腸癌。既往歴：25歳腎血管筋脂肪腫(AML)に対する両 側腎部分切除術，43歳肺リンパ脈管筋腫症(LAM)指摘。現病歴：53歳時に不正性器出血で当院産婦人科を受 診，経膣超音波検査で子宮前壁に長径65 mm大の筋 腫を認めたため，GnRHァゴニストによる治療を検 討されたが，出血は自然軽快し，筋腫も経時的にサイ ズの変化を認めなかったため，1年後に終診となつ た.初診より15力月後，3週間持続する不正性器出 血，腹痛，倦怠感を主訴に当院産婦人科を受診した. 外来受診時の身体所見，検査所見により出血性ショッ クの危険性が高いと判断され緊急入院となった.