卜ピックス：分子生物学的手法が求められる病理診断(4) 腎?尿路腫瘍の分子病理学

摘要

ヒト臨床試料から抽出した核酸?蛋白を用いて行 う解析の技術革新により，多様性を包含するヒト疾 患の分子機構の理解が急速に進hでいる。臨床試料 の解析から出発することで研究成果の実用化への距離はより近くなり，個体差に対応する個別化医療の 可能性が拡がったことで，病理診断?臨床検査にお いても，免疫組織化学のみならずPCRやFISHなど を用いた手法が日常的に行われるようになってきた。本稿では，分子病理学的診断として既に確立した, あるいは今後確立する可能性のある成果に着目し， 腎?尿路腫瘍の分子異常に関する知見を紹介する。