卜ピックス：分子生物学的手法が求められる病理診断(3) 分子生物学的手法による甲状腺腫瘍診断

摘要

甲状腺癌には高分化癌(濾胞癌，乳頭癌)から侵襲 性が極めて高く致死的な未分化癌まで多様な組織型 が存在する。近年の分子生物学的研究の発展によつ て，甲状腺腫瘍の発生とプログレッションには甲状 腺ホルモン産生に関わる機能分子の発現変化，遺伝 子変異の蓄積，ェピジェネティクス異常が深く関与 していることがわかってきた。ここでは甲状腺癌の 遺伝子異常と遺伝子診断，免疫組織化学を応用した 分子病理診断を概説する。