紅茶抽出液のボツリヌス毒素中和物質の単離精製

摘要

Clostridium botulinumによって産生されるボツリヌス神経毒素は、哺乳類にとって最も強力な神経毒素であり、ボツリヌス中毒を起こす。 我々は天然の食品である紅茶の抽出液中（チアルビジン分画）に、この神経毒素を中和する物質を発見した。 今回、その活性成分を単離し、構造を推定した。 中和活性測定は、マウス横隔膜神経筋標本の神経毒素の単収縮により、抽出物をA型ボツリヌス神経毒素と混合し調べた。 神経毒素中和物質の抽出·分離操作は以下のようにして行った。 紅茶を常法により，含水アセトンで抽出後乾固し、得られたエキスを水に懸濁し， n－ヘキサン·クロロホルム·酢酸エチル·n－ブタノールで順次分配を行った．活性が認められたn－ブタノ一ル層（テアルピジン分画）を2段階の逆相HPLC法にて分離精製した。 単離した物質の構造決定は、NMRを用いて行った．活性成分としてquercetm 配糖体、kaem pferol-3－0－［glc－（6-1）－rha］；nicotiflorin及びkaem pfenol－3－0－［glc－（6-1）－rha－（3-1）－glc］；keam pfetrinを得た。