復職リハビリ(リワーク)が思うような 効果を上げないときの工夫

摘要

リワークプログラムを行っていても，患者の病態(背景因子）に双極性障害，ASD, パーソナリティ障害，アルコール関連問題，などが伺えるときは，リワークがうまく進ま ないことがよくある。たとえば，意思疎通の悪さや万能感，猜疑的?妄想的な症状により， 主治医?リワークスタッフ，および産業医にそれぞれ異なる態度を示し混乱を招くような 例だ。そうした困難事例を解決するためには，利用者の背景に合わせたきめ細やかなプロ グラムの提供が必要であり，本人同意のもとで適宜，職場(産業医，保健師など）との連携 を図り，「抑うつ状態の背景にある病態丄「病前の職場適応(元々の職務遂行能力や対人阒 係)」，「復職時に会社から求められる本来の業務水準(勤続年数，職位，業務の専門性など） などを確認しておくことをお勧めする。このような連携を通してリワークでの療養計画を 適正なものとできれば，復職リハビリの効果をより上げることができる。