ガソリンエンジン用センサ－空気流量センサ,圧力センサ

摘要

自動車は人類社会に多くの恩恵を与える一方，大気汚染など解決すべき課題もある。 環境省のデータでは自動車の炭酸ガス排出量は産業全体の約2割を占める。 このため各国政府はHC（炭化水素），CO{sub}2（二酸化炭素），NO{sub}x（窒素酸化物），PM（パティキュレート）について自動車の排出ガス基準を定めている。自動車メーカーは規制値クリアのために，エンジン制御や触媒性能の改善，代替燃料エンジンなど，多くの技術開発を行っており，そこに使用される部品やセンサについても高精度化が要求されている。 一般的にガソリンエンジンは，図1のような空気流量センサ，燃料噴射用インジェクタ，酸素センサ，触媒コンバータおよびそれらをコントロールするエンジン制御ユニット，の構成を採用し規制に対応してきた。本システムは，吸入空気量信号に基づいて，燃料噴射弁，点火装置を動作させて最適な燃料供給，点火を行う。 エンジンに供給される混合気は理論空燃比λ＝1（空気14.7に対しガソリン1の質量割合）に制御され，理論空燃比で最も浄化効率の良い三元触殊により，排出ガス中のHC，CO{sub}2，NO{sub}xの3成分を同時に浄化する。さらに，EGR (Exhaust Gas Recirculation)，VVT (Variable Valve Timing)などのデバイスと制御技術で排出ガス規制強化に対応する。これらの制御を行うため変動の激しい流れに対してもシリンダに流入する空気量を正確に計測する必要がある。 本稿では自動車に使われている空気流量センサと圧力センサの動向と開発技術について述べる。