NiAs型Mn{sub}50(Te{sub}(50-x)Sb{sub}x)スパッタリング薄膜の構造と磁性

摘要

NiAs型Mn{sub}50(Te{sub}(50-x)Sb{sub}x)三元系はMn化合物における構造と磁性の観点から興味が持たれる系である。 NiAs型MnSbは格子定数α＝4.128A、c=5.789Aを有する強磁性体で、その磁化容易方向はc面内に存在する。 一方、NiAs型MnTeは反強磁性体であり、そのスピンはc面内に配列している。 MnTeの格子定数α(4.158A)がMnSbのそれと非常に近く、c(6.726A)がMnSbのそれとは大きく離れていることを鑑みると、c面間距離がNiAs型Mn化合物の磁性を決定づけていると考えることができる。 NiAs型Mn化合物のMn-Mn間距離d{sub}(Mn-Mn)がc/2に相当することから、c面間距離の変化はd{sub}(Mn-Mn)の変化に相当すると考えられるため、本研究ではd{sub}(Mn-Mn)を変化させることにより、NiAs型Mn{sub}50(Te{sub}(50-x)Sb{sub}x)三元系における構造と磁性の関係を明らかにすることを目的とした。