微細毛構造による表面柔軟性を持つ静電チャック－次世代の基盤製造技術の確立を目指して

摘要

静電チャックは，半導体製造における中核技術として主に平滑面を持つシリコンウエハの搬送用途などに使われている．従来の静電チャックは，把持面である電極配置面が非常に平坦かつ平滑であり，被把持対象物の表面に接触し，接触面にほほ均一に静電力を発生させることにより，安定な把持を実現している．従来型の静電チャックは電極を配置した把持表面を平坦で硬く仕上げている．これは，効率的に静電力を発生し，半導体ウエハの安定したハンドリングを実現するためである．一方で，凹凸を有する面を持つ物体や膜状の物体を自由自在にハンドリングすることを不得手としている．