UAVによるインフラ設備外観の自動点検システムの実現に向けた三次元モデルに基づぐ状態データの精度を考慮した計測位置算出

摘要

インフラ設備の平均経過年数の増加と新設改良費の削減を背景に，老朽化したインフラ設備の継続利用が望まれている．設備を安全に利用するためには，高頻度な点検による異常の早期発見が重要となる．現在，多くの設備において専門作業員による点検作業が実施されているが，点検作業が大掛かりになる点と作業員不足の点から点検頻度の確保が課題となっている．交通インフラ設備の橋梁を例に説明する．日本に存在する約70万の橋梁に対して5年に1度の点検が推奨されており，年間約14万橋を点検する必要がある．しかし，多くの橋梁で足場の設置や交通規制が必要となり，作業が大掛かりとなるため，限られた専門作業員のみでは推奨される点検頻度を確保することが困難である．ほかのインフラ設備においても同様に，点検頻度向上のための対策が望まれる．