これからの茶業の方向は

摘要

今年の一番茶の価格はいかがだっただろうか。お茶の生産農家の多くは、「昔に比べたら一番茶の価格が特に今年は…」と毎年のように茶価が低迷している声が聞こえてくるが、なぜだろうか。まずは消費と生産の実態を正確に分析してみたい。日本茶は、生活スタイルや嗜好の多様化で、急須で飲むリ—フの緑茶(以下「リ—フ緑茶」という)が減少し、それに代わってペットボトルなどの緑茶飲料は増加している。緑茶飲料は、比較的価格が低い秋冬番茶や一一番茶が利用されることが多く、価格が高い一番茶が利用されることは少ない。また、お茶が中元、歳暮などの贈答用に利用される機会が減少していることも、一番茶の利用が減少している要因である。