XII「耕作放棄地再生に向けて」(最終回）月刊誌「茶」編集部

摘要

最近山あいの茶産地に耕作放棄された茶園を多く目にするようになった。背丈3メ—トル程に生い茂つた茶畑に中に役割を果たせず朽ちた姿の防霜ファンが立っている光景は何とも切ない想いがする。ご存知のとおり、国内各地において耕作放棄地が増加し、国を挙げての対策が展開されている。耕作放棄地になった理由は「高齢化」「仕事が忙しい」「地域内に引き受け手がない」などが多く占めているが、土地持ちの非農家や不在地主が増加していることなどから農地への愛着心の薄らぎも見える。特に、中山間地域においては、イノシシゃシカなどによる「鳥獣害」が大きく、生産意欲の低下に拍車をかけ、結果的に耕作放棄地を発生させる原因にもなつている。