食品色素の市場動向

摘要

色素は、加工食品原料の色のバラツキ調整や、製造、輸送、貯蔵中の色変化を抑えるなど品質を一定にする目的でも利用されているが、食品にとって色は味覚に先立ち食欲の増進、減退に大きな影響を与え、消費者へのアピールという点から商品の売れ行きをも左右する重要なファクダーである。 少量で鮮明な色を出す合成タール系着色料は、加工食品の発展に大きな役割を果たしてきたが、近年は消費者の健康志向の中で、合成から天然系への切り替わりが進み、天然系が主流となる形で市場が動いている。天然系色素は原料の品質や価格の変動が大きく、合成品に比べると色の鮮明さに欠け、価格も割高、光による退色など諸問題を抱えるが、もともと日本人は、淡い自然色で着色していないようなニォアンスを好む傾向にあり、イメージ的な安心感も伴うため、わが国での色素の主流となっている。