気候変動による北海道におけるワイン産地の確立-1998年以降のピノ 、 ノワールへの正の影響-

摘要

北海道は気候的にワイン用ブドウ栽培の北限の地と呼ばれている。冬季は4か月以上におよぶ積雪，土壌凍結条件 下での越冬を強いられ，かつ，生育できる夏季は短く，冷 涼である。そのため，栽培されるワイン用ブドウは，北海道の冬の気象条件を克服できる耐寒性のある，もしくは冬 を乗り切る栽培法が適用でき，かつ夏の冷涼な気象条件に 適合する品種である，ミュラー'トウルガウ，ノ、'ッカス，セィベル5279，ッノ、'ィゲルトレーべ，セィベル13053，セ ィベル13053をクローン選抜した清見，ケルナ一，ある いは生食用の品種であるナイャガラ，キャンベル'ァー リー，デラウェア等に限られていた（たとえば，北海道果 樹百二十年編集委員会，1992;蔦村，2008;永田ら，2014; 植原、山本，2015)。