生豆腐粕、乾燥醤油粕混合発酵物を利用した配合飼料が黒毛和種去勢牛の発育，ルーメン内発酵特性および血液性状に及ぼす影

摘要

生豆腐粕、乾燥醤油柏混合発酵物を利用した配合飼料を肥育前期の黒毛和種去勢牛に給与し，そのことが発育 成績やルーメン内発酵特性および血液性状に及ぼす影響について検討した。生豆腐粕.乾燥醤油柏混合発酵物は，あらかじめ生豆腐柏および乾燥醤油柏を原物重で6 ： 4の割合で混合し，2週間の発酵を行った。試験飼料は，乾物 当たりの粗タンパク質（CP),可消化養分総量（TDN),カルシウム（Ca)およびリン（P)含量が既存の肥育前期 用配合飼料（対照飼料）と同等となるように，生豆腐粕、乾燥醤油柏混合発酵物を乾物当たり全体の3割程度配合 して調製した。肥育前期の黒毛和種去勢牛6頭（平均体重345.2kg，平均月齢12.8力月）を用い，反転法による給 与試験を行った。処理区として，対照飼料を給与する対照区および試験飼料を給与する試験区を設定した。その 結果，供試牛の飼料摂取量および増体に有意な差は見られず，試験飼料の給与により，対照飼料と同等の発育成 績を示すことが示唆された。ルーメン内発酵特性については，給餌4時間後において対照区に比べ試験区が高い酢 酸含量を示した（P<0.05)。また同様に血漿中の総コレステロール濃度およびリン脂質濃度についても，対照区 に比べ試験区が高い値を示した（/><0.05)。これらは，それぞれ試験飼料が対照飼料よりも高い繊維含量および 粗脂肪（EE)含量であったことを反映したと推測される。以上のことから，生豆腐柏、乾燥醤油柏混合発酵物を 乾物で3割程度混合して給与した際は，発育成績およびルーメン内発酵特性に大きな影響は及ぼさない一方で，血 槳中の総コレステロールおよびリン脂質濃度を増加させることが示された。